資格取得において、見返りがない行動こそがワクワク感をもたらし、またフロー状態を体験するためのきっかけとなることがあります。ここでは、その理由について考えてみたいと思います。
見返りがない行動こそワクワク感の源泉
心理学の実験によれば、見返りがない行動こそが私たちにワクワク感をもたらすことがあります。この実験では、子供たちを三つのグループに分け、お絵かきをして遊んでもらいました。
- Aグループ: 上手く書けたらご褒美をあげることを予告し、ご褒美をあげた
- Bグループ: 上手く書けたらご褒美をあげることを予告せず、サプライズでご褒美をあげた
- Cグループ: ご褒美を設定しない(予告もしないし、あげない)
結果、Aグループの子供たちはご褒美がなくなるとお絵かきに興味を示さなくなりましたが、BグループとCグループの子供たちは興味を持ち続けました。この実験からわかることは、もともと楽しい・好きな行動でも、報酬を目的にしてしまうとつまらないものになってしまうということです。
「やりたいからやる」「何となく興味を持ったからやってみる」という見返りも生産性もなく、ただ欲求に従って行動することは、私たちの生活を豊かにしてくれます。しかし、一度でも見返りを受け取ってしまうと、それが報酬目的に変わり、もともと求めていなかった報酬を得ることができなかった場合、モチベーションが下がってしまいます。
資格の学習においても、見返りだけに目を向けず、学びを楽しむことが重要です。資格取得の過程で得られる知識やスキルは、必ずしも即座に役立つものばかりではありませんが、そのプロセス自体が好奇心を刺激し、新たな発見や楽しみを提供してくれます。
フロー状態を体験できる
フロー状態とは、心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した、没頭してしまうほどに集中している状態を表す言葉です。この状態に入ると、集中力が極限まで高まり、他の一切のものが消え去り、心身のパフォーマンスが限界を超えて高まるとされています。また、この時脳内では幸福感を感じるホルモンが分泌され、スポーツやゲームに没頭しきった後に感じるような幸福感が生まれます。
フロー状態を引き起こすためには訓練が必要ですが、以下の要素がカギとなります。
- 目的が明確であること: 何を達成したいのか明確にする
- 日々の目標が明確であること: 毎日の具体的な目標を設定する
- 少し困難なことにチャレンジする: 自分にとって少し困難な課題に取り組む
- 高度なスキルを使うこと: 自分の持つスキルを最大限に活用する
資格取得においては、取得を目指す目的を明確にし、日々の目標を具体的に設定することが重要です。また、資格取得のための学習は時に困難なこともありますが、その挑戦を通じて自分の成長を実感することができます。このようにして、資格取得のプロセスを楽しみに変え、フロー状態を体験することができるのです。
役に立たないと思われる資格でも、その取得プロセスは非常に意義深いものです。見返りを求めずに興味のままに行動し、フロー状態を体験することで、新たな発見や充実感を得ることができます。ぜひ、資格取得の過程を楽しんでください。