「実務経験は豊富なのに、資格試験に合格できない」という話を、あなたも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。今回は、そんな実務経験者の方々が資格試験でつまずく原因について、私の経験を踏まえて考えてみたいと思います。
なぜ、実務経験者は資格試験に苦戦するのか？
1. 基礎的な理解の不足
日々の業務で求められるのは、即座に適切な判断を下し、問題を解決することです。そのため、実務経験が豊富な人は、経験則に基づいて業務を遂行することが多く、なぜそのルールが存在するのか、どのような根拠に基づいているのかといった「なぜ？」という問いに答えることを意識していません。
しかし、資格試験では、単に業務をこなすだけでなく、その根拠となる知識や理論を問われます。実務経験に基づいた直感的な判断だけでは、試験に合格することは難しいのです。
2. 具体例に固執してしまう
例えば、法律系の資格試験では、条文の解釈や過去の判例を学ぶことが重要です。しかし、実務経験者の中には、「このケースではこうなるけど、別のケースではどうなるの？」と、具体的な事例にこだわりすぎてしまう人がいます。
もちろん、実務経験と照らし合わせながら学ぶことは大切ですが、試験では、あらゆるケースを網羅する必要はありません。あくまでも、出題される範囲内の知識をしっかりと理解することが重要です。
3. 実務経験に胡坐をかいてしまう
「自分はもう実務経験があるから大丈夫」と、安易に考えてしまい、勉強を疎かにしてしまう人もいます。
- 基本書や問題集を流し読みする
- 試験勉強にかける時間が足りない
- 問題を解く量が足りない
このような学習態度では、試験に必要な知識をしっかりと定着させることはできません。実務経験があるからこそ、より一層謙虚に、そして丁寧に勉強に取り組むべきです。
実務経験者が資格試験に合格するために
実務経験は、資格試験合格のための大きな武器になるはずです。しかし、その経験に甘んじることなく、以下の点に注意して学習に取り組むことが大切です。
- 基礎を固める: 教科書や問題集をしっかりと読み込み、基本的な知識を徹底的に理解しましょう。
- 論理的な思考力を養う: なぜそのルールが存在するのか、なぜその答えが正しいのかを常に問いながら学習することで、論理的な思考力を養いましょう。
- 過去問を徹底的に解く: 過去問を解くことで、出題傾向や自分の弱点を知ることができます。
- 勉強時間を確保する: 計画的に勉強時間を確保し、継続的に学習を続けましょう。
- 仲間と勉強する: 同じ目標を持つ仲間と勉強することで、モチベーションを維持し、お互いを高め合うことができます。
まとめ
実務経験は、資格試験合格のための大きな財産です。しかし、その経験に甘んじることなく、謙虚に、そして積極的に学習に取り組むことが大切です。
